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booost technologies 株式会社 青井宏憲|カーボンニュートラルを加速させる事業展開が注目の企業

カーボンニュートラルを加速させる事業展開で注目なのが、青井宏憲さんが2015年に創業したbooost technologies 株式会社です。

2050年のカーボンニュートラルの実現を目指し、またその途中経過として2030年度には温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指して、いよいよその実現に向けた取り組みが各所で活発になってきました。
例えば電気自動車の普及や、各地の自然環境をを活かした再生可能エネルギーの活用などもそうです。

こうした努力を積み上げたこともあってか、2020年度の温室効果ガスの総排出量は11億4,900万トンで、2013年比で18.4%減少しました。
もっともこの背景には、コロナの影響で経済活動が鈍化したことによる効果も大きく含まれており、手放しでは評価しきれない部分もあります。
が、炭素排出量が減少傾向に向かっているという潮流は確実に出来つつあります。

今後は経済活動と脱炭素を両立させていくことを考えて、ライフスタイルの改良や変化、企業の活動の仕方やエネルギー使用方法・プロダクト製造フローなどの見直しがより一層求められるようになるでしょう。

脱炭素社会の実現は、一企業だけ・一部門だけ・一個人だけが取り組んでもうまくは進みません。全体として協力し合って進めていくことこそ必要です。
私たちの生活を担保する上で、どう頑張っても炭素を発生させてしまわざるを得ない状況もあるでしょう。であれば、そこで炭素発生した分を他の部分でリカバリーして全体での排出量を調整し、最終的に2050年にはカーボンフリーを実現させられるように協力し合ってこそ成し遂げられる一大プロジェクトなのです。

そのためには、誰もが今の状況を把握できる仕組みが整っていることが肝要です。どこで誰がどの程度の炭素排出をしているか、自分自身はどのくらいの排出と削減を実行できているか、などを明確な数値で把握し、常に意識すると同時に全体としてのバランス調整を図ることがカーボンフリー実現への大きな一歩になります。

また、こうした取り組み自体が企業への評価や投資分析の重要な要素の一つにもなっており、投資金の流れに影響を及ぼすようにさえなっています。

そんな今、炭素排出量を可視化し、炭素排出量の管理や削減計画を一元管理できるプロダクトに注目が集まっています。

booost technologies 株式会社の事業の特徴は、簡単に炭素排出を計測、管理し、オフセット実行や、報告レポート作成までが一元化できる「企業や組織のためのCO2排出量管理・会計プラットフォーム」であるという点です。

booost technologies 株式会社の青井宏憲さんに、事業の特徴や今後の課題についてお話をお聞きしました。

・このプロダクトの特徴は何ですか?

サプライチェーン全体のCO2(温室効果ガス)排出量の可視化が可能なソリューションです。またカーボンニュートラル計画の策定、管理、カーボンオフセット、TCFD、RE100、SBTi、温対法等のレポート作成に至るまで、ワンストップでサポートを行なえます。

・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?

脱炭素に取組む大企業から中小中堅企業の法人向けのソリューションです。特にTCFDなどの非財務情報の開示義務があるプライム市場の上場企業などのサスティナブル関連部署の方、施設管理の方にご利用いただきたいと思っています。現状、排出量算出の工数がかかっていたり、脱炭素化に向けた具体的な方法やコスト感が分からない方、計画策定にお悩みの方、バリューチェーン全体の排出量の可視化など、様々なお悩みに対応可能です。また、グループ企業が多い会社やバリューチェーンのトップ企業で工場、サプライチェーン全体の脱炭素化をお考えの方にも導入をご検討いただきたいです。

・このサービスの解決する社会課題はなんですか?

組織の脱炭素化で課題となる、サプライチェーンの効率的なGHG排出量の可視化です。脱炭素化を行う上で最初に、サプライチェーン全体の現状の排出量を把握する必要があります。非財務情報の開示義務のある上場企業の場合、各部門やグループ会社、サプライチェーンから排出量のもととなるデータを収集する膨大な工数と集めたデータを集計し、各種国際イニシアティブのレポートを作成する必要があります。このデータ収集の効率化とインテグレート、レポート作成等をテックの力で工数と時間を削減し、効率化をすることが可能です。算出した排出量をどのように削減を行っていくのかというロードマップの策定、自社のどの事業、部門からの排出量が多いのかが把握することが可能です。これらを基に気候変動にともなうリスクや機会の構築を行うことが可能になります。

・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?

当社は創業当初からエネルギーマネジメント事業、小売電気事業支援を行っています。創業期は、コンサル事業に加えて、システム開発とBPO(電力調達・需給管理などの電力のコア業務の代行)事業を展開していきました。電力全面自由化のタイミングで創業したこともあり、前例のない中トライ&エラーを行いお客様のフィードバックをいただきながら知見を深めていきました。その際の経験が今の事業につながっています。

・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?

会社としては、クライメート(気候)テックカンパニーとして国内企業を牽引し、わたしたちの子どもや孫世代が安心して暮らせるカーボンフリーな未来の実現に向け、人類最大の課題である地球温暖化にテックで挑戦したいと思っています。サービスについては、現在、各業界のリーディングカンパニーを中心に導入を進めている「ENERGY X GREEN(エナジー エックス グリーン)」をさらに強化し、業界のスタンダードにしていきたいと思っています。また各業界向けにソリューションも細分化させていきたいと考えています。

・今の課題はなんですか?

「ENERGY X GREEN」のプロダクト強化に加えて、アライアンス・パートナーシップ構築のためのパートナーサクセス体制の強化、導入先のお客様に対する支援体制強化に向けた採用が直近の課題と考えています。

・読者にメッセージをお願いします。

当社は「2050年の脱炭素社会の実現」を可能にする、国内最大の脱炭素化プラットフォームの構築を目指しています。企業規模や脱炭素手法に合わせた4つのプランでサービスを提供しておりますので、脱炭素経営でお困りの際には、ぜひ一度ご相談ください。

会社名 booost technologies 株式会社
代表者名 青井宏憲
創業年 2015年
従業員数 50名
事業内容 ENERGY Xの運営開発/ENERGY X GREENの運営開発
サービス名 ENERGY X、ENERGY X GREEN
所在地 東京都千代田区永田町2−11-1 山王パークタワー
代表者プロフィール 代表取締役 青井宏憲
2010年に東証一部コンサルティング会社に入社し、スマートエネルギービジネスチームのリーダーを経て、 2015年4月にクライメート(気候)テックカンパニーbooost technologies株式会社を設立。スマートエネルギー全般のコンサルティング経験が豊富で、脱炭素化のためのソリューションとして、創エネ、省エネ、エネマネにも精通。
2021年9月にはCO2排出量可視化・脱炭素化クラウド『ENERGY X GREEN(エナジー エックス グリーン)』の提供を開始。CO2の可視化から、脱炭素計画の策定、予実管理、オフセット、レポート作成までをワンストップで支援し、脱炭素化を加速させ、カーボンフリーな未来の実現を目指す。
2022年1月にシリーズAでグロービスキャピタルパートナーズ、東京大学エッジキャピタル、NTTドコモベンチャーズより12億円の資金調達を実施。
読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ booosttechnologies CO2フリー ENERGY X GREEN カーボンフリー クライメートテック 脱炭素 青井宏憲
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